背番号6、最後の青春




ちらっと弘也の方を見ると、下を向いてギュッと拳を握りしめていた。

「…あの、絶対に入院しなきゃいけないんでしょうか…?」

弘也の言葉に、先生はどうしてかと首を傾げていた。

俺の方をちらりと見やった弘也視線から、弘也の心配していることを察した。


…弘也の家は母子家庭だ。おそらく入院費用のことを心配しているのだ。

4人部屋でもそれなりに高いと聞く。

「強制はしないけど、入るべきだとは思うよ。入院して治療をすべきだ」

強い口調で言う先生。きっと弘也が拒否をしないためだろう。

俺が口出す場面ではないことは知っていたが、下を向き続ける弘也を見ていられなくてつい。


「弘也、治るんですよね」

少し震えた声で、なけなしの勇気を振り絞ってそう尋ねた。

治らない、なんて言われるのが怖くて聞けなかった質問だ。