背番号6、最後の青春




診察室とやらに入り、椅子に座らされた弘也のすぐ斜め後ろに立つ。

小さな病院とはまた違った雰囲気の診察室に周りを見渡す。

弘也は何回か来ているのか、もう慣れた様子で先生だけを見つめていた。

検査した結果の何かだろう。先生の横のボードかなにかに写真みたいなものが貼られる。

そうして、一度俺を見てから弘也を見た先生は、ゆっくりとこう告げた。


「…腕と肺の方に転移してます。この近くにがんセンターがあるので、そちらに入院していただくことになりますね」

腕と、肺…?

骨肉腫のことを深くは知らないから、それがどれだけ重大なことなのかは分からなかった。

ただ、がんセンターというだけでなんだか専門的で大変なことのような気がした。

先生の声のトーンから、良くないことであることだけは十分に分かった。

「…がんセンター、ですか…」

弘也がふと呟いた。

確かに家から自動車で10分ちょっとくらいのところにがんセンターがあった。

そこに、弘也が入院することになるのか。