背番号6、最後の青春




…なんとか菜乃ちゃんから椅子を受け取ることができ満足した俺は、

ボールの空気を入れに行った菜乃ちゃんを見送ってから、友人たちと駄弁る弘也の元にかけていった。

「おい、話してないでまだ運ぶ椅子があるだろ」

ため息混じりにそう呟くと、弘也は「まあまあ」と言いながらも椅子を取りに行った。

「ほら、お前らも行けよ」

目の前でいちゃつくカップル…、もといチームメイトで同級生の俊太と、マネージャーで同じく同級生の花梨にそう言う。

「いいじゃん。せっかく働き者の1年生が入ってくれたんだし、少しくらいサボったって問題ないって」

平気でそんなことを言う俊太をジロリと睨むと、俊太は怖い怖いと言いながら笑う。

しかし尻を思い切り花梨に膝蹴りされ、痛そうにしながら渋々椅子を取りに行った。


…確かに、高校に入り初めて出来た後輩は驚くほど働き者だ。

あの冬の大会から約2ヶ月、部活に1年生が入部しまだ日も経っていない。

それにも関わらず、菜乃ちゃんを筆頭に1年生はよく働いてくれる。

分からないことがあればすぐに聞いてくれるから楽だ。