そろそろ帰ろうか、という時に、雄が繋いだ手を引っ張り、私を引き止める。

由美と晃は気付かず先に行っている。


「あの、実はこれ…
花火の時に渡そうと思ったんだけどさ、あの2人居たから渡せなくて…」

と、私の左手を胸の高さまで上げて、手の上に小さな包みを置いた。


実は私もこの日の為に悩みに悩んだプレゼントを持っていた。


「私も、用意してたんだ。雄君の好みに合うかは分からないけど…受け取って下さい」

と、小さな包みを渡す。

「じゃあ、いっせーの、で開けようか☆」


「うん☆いっせーの…」
シュルシュルとリボンをほどき、袋に入った箱を取り出して箱を開く。


雄からのプレゼントは天使のピアスだった。


片方の天使がハートの形をした赤い石を持っている。

もう片方の天使が弓でハートを狙っている。

「その弓を持ってる天使が俺ね。
薫ちゃんのハートを狙ってるから☆」


「アリガトウ…可愛い☆…でも…私のハート、もう雄君に盗られちゃってるよ?」

と言うと、雄の顔が真っ赤になる。


「ね、私からのも見てみて??」


私からのプレゼントは、

シルバーで、柄の部分に螺旋の模様が刻まれている鍵のチャームアクセサリーがついたストラップ。

実はその螺旋はよく見るとハートの形になっている。


「実はコレ、ペアのストラップでね?」



と、雄に私の携帯を見せる。


そこには、シルバーのメダルがついていた。


雄にあげた鍵の柄の部分と同じ模様が刻まれていて、メダルの真ん中には鍵穴がついている。



「俺も、ペアのストラップ良いかな、とか思ったんだけどさ、イイのが無くてさぁ。でもコレかなり嬉しいな☆アリガトウね♪」



そう喜ばれると、悩みぬいた甲斐がある。



「その鍵、無くしちゃダメだよ?私の心の鍵だから…」


とお互いに顔を真っ赤に染め上げる。



そんなプレゼント交換の光景。