ケータイ小説 野いちご

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    • 同級生
    • 授業中
    • 教室
    • 告白

    げげっ。滅茶苦茶厳しい現国の先生の授業で、教科書忘れた。
    隣の葉山の肘をつつく。
    「奈々?」
    不思議そうに私のほうを眺めるキミの綺麗な目を見ると、その世界に惹きつけられる。言うまでもなく、容姿も完璧。そんな彼と話すと、胸が高鳴るだなんて本人に言えるわけない。だって葉山はドSなんだ。
    「忘れたの…見せてくれる??」
    ニヤッと笑うキミ。
    「なに企んでるの?」
    恐る恐る聞く。
    「好き、って言ったら貸してやるよ。」
    は!?なんでよ!?
    やばい、次、音読しなきゃなのに!もう、こうなったら…
    「葉山、すっ、好き…。」
    「ん?聞こえねえ。」
    「好き!」
    「ん。」
    渡された教科書。そのおかげで朗読成功!
    「奈々、手、出して。」
    耳元で言うのは反則!

    「好きだ。」
    手にマッキーで書かれた。
    「奈々は?」
    きっと葉山は私の気持ち、わかってる。
    「…好き。」
    涼しげな顔で笑っている。そんな君の虜なんだ。

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    • 憧れの先輩
    • 放課後
    • 廊下

    「あのさー」


    みんなが帰ったあとの静かな廊下。
    部活を引退したばかりの3年生の彼が、棚にあった教科書をいじりながら問いかける。


    「俺のどこが好きなん?」


    不意をついた質問に、プリントを整理する手が止まる。

    「どこ…って?」

    「俺の好きなところ」

    「全部だよ」

    「その中でも特にってところ。ない?」

    「んー…」


    彼はイケメンだし、運動も勉強もできるし、優しくて面白い。

    全部好きだけど、特に。
    特にすきになったのは───。



    「…自分に自信があるところ、かな。
    最高にかっこいいなって思った」



    彼はいじっていた教科書を戻した。

    急に抱きしめられる。


    「うわべだけじゃないとか、超嬉しい」

    「…うん」

    「俺、お前のそういうところがいちばん好き。しっかり人を見てるところ」


    先輩も人のこと言えないんじゃない?
    そう言うと、彼は嬉しそうに耳もとで笑った。

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    • 憧れの先輩
    • 放課後
    • 頭ぽんぽん

    「失礼しまーす…」

    そっと扉を開けて中に入る。いつもは賑やかな部屋がやけに静かだな、と思ってたら案の定。

    みんなはいなくて、彼だけ机に突っ伏して寝ていた。

    「…拓麻さーん」

    「…」

    隣に座って呼び掛けるけど、返事は無い。

    「起きてくださーい」

    「…」

    さらに近づく。やっぱり返事は無い。

    「…いたずらしちゃいますよ」

    「…」

    いつもドキドキさせられてるし、たまにはいいよね…?

    ちゅっ

    彼の耳に少しだけキスしてみた。


    「…そんだけ?」

    「えっ」

    形勢逆転。起き上がった彼に腰を抱かれ、今度は私がキスされて。

    「お、起きてたんですか!?」

    「うん、結構前から」

    「…意地悪」

    「ごめん。綾乃の困った顔見たかった」

    頭をぽんぽんして、送るから一緒に帰ろ、なんて。


    やっぱりドキドキさせられるのは私の方だ。

    開く閉じる

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感想ノート

きみのおと (片瀬 天音/著)

  • 読了いたしました。

    心を閉ざしていた千秋が、雫によって徐々に変わっていく様がとてもよかったと思います^^
    いじわるでどこかおかしい皐月の登場によって、後半は波瀾万丈でしたね。
    それでも乗り越えた千秋はかっこよかったと思います。

    柊二と亜衣はいい感じだなとは思っていました。
    この二人のお話も、ぜひ読んでみたいです。
    個人的に柊二みたいな不器用なタイプ大好きです(*^_^*)

    読んでいてとても幸せな気持ちになるお話でした。
    素敵なお話をいつもありがとうございます。

    夢幻キリコ(退会)
    2017/08/29 21:26

  • 片瀬 天音 さま

    今回も素敵なお話をありがとうございました。
    しぃちゃん、なんて素敵な女の子なんでしょう!
    あとがきに書かれていましたが、人は人との出会いで変われる、ですね。
    千秋くんはまさしくそうでしたが、柊二くんも亜衣ちゃんも、しぃちゃんも。
    自分がどうしたいのかに正直になれば、自分はもちろん幸せになりますが、周りの人たちも幸せにできるのですね!
    もちろん、自分勝手なわがままはいけませんが。

    天音さんのお話は、優しくて切なくて、ほっこりして、幸せな気持ちになれるので大好きです。
    次の作品も楽しみにしています。

    きむねー   2017/03/19 00:08

    きむねーさま

    コメント&読了ありがとうございました。

    しぃちゃんを素敵と言っていただき嬉しいです。
    自分の書いたお話の登場人物を気に入っていただけるのは、感想をいただくたびに思うのですが、本当に嬉しくてもったいないくらい光栄だなと思います。
    人と人との出会いで、良くも・・・まぁ、悪くもですが変わっていくことってありますよね。
    そうですね。
    自分に正直に、そしてそれが周りの人にいい影響を与えられる生き方を私自身もしたいものです。

    褒められすぎて、褒められることになれていない私はもうどう反応していいか・・・(照)
    嬉しすぎます!

    好きで書いているのもありますが、そういうお言葉をいただけるから、物語を書いていけるんです。
    ありがとうございます!

    作者からの返信 2017/03/19 00:36

  • やぎさとさま

    コメント&読了ありがとうございました。

    更新を楽しみにしてくださってありがとうございます。
    長くかかってしまいましたが、完結することが出来ました。
    嬉しいお言葉ありがとうございます。
    途中苦しい場面もありましたが、ハッピーエンドで終えれてよかったです。
    番外編は今のところ考えてはいませんが、なにか思いついたら書けたらいいなと思います。
    お話を考えるのが好きなので、いろんな話を書いていけたらいいなと思ってます。
    ありがとうございました。

    片瀬 天音   2017/02/26 23:16

  • 私も更新を楽しみにしていました。ちょうど休みの日に完結だったので、一気に読み終えました。途中、涙が出てしまったりもしましたが、最後は、温かい気持ちになれました。番外編の予定はあるのでしょうか?次回もステキな作品を楽しみに待っています。

    やぎさと   2017/02/26 22:12

  • 渡辺 奈緒さま

    コメントありがとうございます。

    毎日の習慣にしてくださり、ありがとうございます!
    嬉しすぎます!!
    1節ずつで更新しているので、更新にむらがあって申し訳ないです。
    告白のシーン、泣いてくださったんですね。
    これからもう少し続きますので、今後の二人を見守ってあげてください。
    本当にありがとうございました。

    片瀬 天音   2017/01/23 19:57