「か、か、かっこいい!!!」
次の日の学校で、僕の姿を目の当たりにしたしぃちゃんが目を輝かせ頬を赤く染めて両手を固く握ってそう言った。
僕は照れくさくて、でも、頑張って顔をあげる。
もう、俯くのはやめるんだ。
しぃちゃんの前で、俯くことはやめると決めた。
「すごい!やっぱ、いいよ。すごく、素敵だよ!」
しぃちゃんは、そう言って褒めてくれる。
きっと僕は、この反応を期待してたんだ。
この顔を見たくて、僕は。
「あ、亜衣!おはよう!見て見て!千秋くん!髪!」
その時登校してきた榎並さんをしぃちゃんが呼び、僕を見せた。
「わ、久賀くん!すごく似合ってるよ。綺麗な顔がよく見えて、いいね」
「でしょ!綺麗な顔だよね」
しみじみと僕の顔を見ながらそう言う。
綺麗な顔。
しぃちゃんたちに言われると、なんだろう、すごく嬉しいんだ。
そんな風に思った事なんて、一度もなかったのに。


