言った。
言っちゃった。

まさか、私がそんなことを言えるなんて。
それも芹川くんに。

それだけじゃない。



友だちになりたい。
そんな風に、思うなんて。



「・・・お前もバカの一員か」



芹川くんの呆れたような声。
でも、もう怖くない。


きっと嫌な人なら、あの時私を助けたりしない。
ほんとに嫌な人は私がボールにぶつかるのを見て笑ったりするんだ。


そう思ったら、芹川くんが少し怖くなくなった。




「しぃちゃんね、こうと決めたら突っ走る子だから。たぶん、芹川くん、もう友だちだって認定されてるよ。だから、私も芹川くんの事友だちだって思ってもいいかな」

「・・・後悔しても知らねぇぞ」

「うん。いいよ!」



後悔なんて今までさんざんした。
今更後悔が増えたって大丈夫。


それに、芹川くんなら大丈夫だってなんとなく思ったんだ。