「いくらでも傷つけてくれていい。僕の事なら、構わない。いくら過去の傷を抉られても、どこに突き落とされようと」
「・・・っ」
「僕が側にいてほしいヒロインは、しぃちゃんだけだから」
それ以外にありえないんだよ。
「でも。・・・しぃちゃんを傷つけるなら許さない。容赦なんてしない。しぃちゃんをこれ以上傷つけるなら、僕は皐月ちゃんを絶対に許しはしないしそのためならなんだってするよ」
自分でも、どこからそんなトーンの低い冷たい声が出るのだろうと思うほど。
冷えた心から吐き捨てるような言葉が出た。
こんなところ、しぃちゃんには見せられないな。
ここにいなくてよかった。
「ちーくん・・・なんで・・・」
「もう護られるのはやめたんだ。僕には道をいくら違えても、連れ戻してくれる大切な友達がいるってわかったから」
「・・・なんで・・・」
皐月ちゃんは、呟くように何度も何度も“なんで”と繰り返した。