放課後、校門を出たところで待ち構えていた久しぶりに見る顔。
「ちーくん!よかった!やっと会えた!ずっと邪魔されてて、ほんと酷いよね」
なにもなかったかのように、同級生面をして話しかけてくる彼女に嫌悪感を抱く。
あの頃、小学生の頃はこんな子じゃなかったはず。
特別深いかかわりがあったわけではないけれど。
他の女の子たちと変わらない、友だちだっていたはずだ。
「少し、話がしたいんだけど」
「・・・ちーくん。声、出るの・・・?」
眉を顰めた皐月ちゃんが、僕に望んでいたものを隠そうともせずそう言った。
何が彼女を、こんな風にしてしまったんだろう。
もうそんな事、僕にはどうだっていいことだけれど。
「場所、かえよっか」
僕は静かにそういうと校門であるその場から離れる。
少しムッとした表情で、それでも僕について歩き出した皐月ちゃん。
柊二くんたちはその後を少し離れてついてきてくれている。
それがすごく、心強い。