僕は変われたと思ってた。
話すことができるようになって。

お母さんにも笑顔が戻って。
顔をあげられる。



でも。
たった一人の同級生の登場によって、それは脆くも崩れ去った現実。



過去は僕を放してはくれなくて。
走馬灯のように蘇ってくるトラウマに逃れられない。



僕を、ゲームのように扱っていた彼女の正体に気づいたあの時。
僕はその現実からまた逃げたんだ。


心を閉ざし、声を塞ぎ。
想いに蓋をして。



そして、愛する人を拒絶して。




でも。
別れたいといった大半の理由は。




彼女を護っているのが、自分じゃないってことに気づいたから。
護られてる弱い自分に気づかされたから。





カッコ悪い、そんな自分に決別したい。