「お前ら、来たのか」
病院に付き添ってきていた担任の大村先生。
僕たちを見ると呆れたようにそう言った。
「お前ら今の授業選択授業だろ。木田先生は後処理を頼んだだけでもう教室に戻ってるぞ」
「んな事、どうだっていいんだよ。それより・・・」
「お前は、口のきき方気をつけろよ」
先生に対しても変わらない態度の柊二くんに、大村先生はそう言った。
でも、状況が状況だからか大村先生はため息だけはいてそれ以上は何も言わなかった。
「木田先生には俺から話しておいてやる。二ノ宮は今処置中だ」
「あの、しぃちゃんは大丈夫なんですか?」
「・・・ああ。骨折とかの心配はないそうだ。でも、階段から落ちた時目の上あたりを切っていてそこからの出血が多くてな。その処置を今してもらってる」
「目の上・・・」
しぃちゃんの状況がとりあえずわかったことで少しだけ安心する。
それでも、目の上なんて・・・。
「おそらく痕は残らないだろうって話だ。あとは、頭を打ってるかもしれないからその検査もすることになってる」
「そうですか・・・」