きっと優しいしぃちゃんが何か言ってくれたんだろうことくらい、僕にだってわかる。
僕は結局、しぃちゃんに助けられてばかり。


声が出なくなったのは、僕の弱さでしかないのに。




「階段から誰かが落ちたらしいぜ!先生が騒いでた」

「階段から落ちたって結構やばくない?踏み外したくらいじゃそんな表現にならないよね?」



クラスメイトがその噂話に飛びついてザワザワと騒ぐ。
その話が本当なら、大変なことだけど・・・。



「お前ら、この後はちょっと自習にするからおとなしく期末対策しとけよ!」



騒がしい教室に先生が入ってきてそう言った。
さっきの話に信憑性がでてくる。




「先生!階段から誰か落ちたって本当なの!?」

「話は後でちゃんとする!余計な噂話せず勉強しとけよ!」




先生がバタバタと教室を飛び出していく。
ただならぬ様子に僕は亜衣ちゃんと顔を見合わせた。