「千秋くん、おはよう!」




気まずい思いを封印して、必死に声を張り上げる。
フラれても、挨拶だけはやめたくないの。

それでも、千秋くんはこれまで一度も私の顔を見てくれたことはなくて。
今日もまた、顔を見ることなく小さく頷くだけ。

返事を返してくれるだけいっか・・・。
小さく息を吐いて教室に続けてはいった。




クラスメイトはというと、また以前のように戻ってしまった千秋くんに対して誰も触れようとしない前の空気に戻っていた。


私と別れたと噂が流れると、始めこそ女の子たちが千秋くんに話しかけて行っていたけれど、ことごとくいい反応が返ってこないことを知ると、話しかけることをぱったりやめてしまったのだ。



皆、ひどいよ。
そういう雰囲気が、千秋くんの心を一層孤立させてしまうってなんでわからないんだろう。


理解してくれる人が増えてほしいのに。
千秋くんの側には、きっと人が必要なのに。



でも・・・。
適当な人がたくさん集まったって意味ないのかな。