「お前さ、いい加減無理すんなよ」

「無理なんてしてないよ」




亜衣の隣で静かに成り行きを見守ってた柊二くんは不機嫌そうな顔でそう言った。




「見てて痛々しいんだよ。傷ついてるくせにあいつの事気遣う素振り見せて」

「でも、今私にはそれしかできないんだもん。千秋くんとの関係に変化を望んだのは私なんだから。友だちに戻れなくても仕方ないけど・・・でも・・・」

「しぃちゃん・・・」

「でも、千秋くんには笑っててほしい。立ち直って、幸せでいてほしいって思うんだもん」




その隣に、私はいたかったけれど。
千秋くんは、それを望んではいないのだから。


だったら、その中で、私ができることをしなくちゃ。
皐月ちゃんからも、私が護るんだから。



「しぃちゃんが、傷ついたり悲しんだりするのだって、私は嫌なんだよ?」

「今、傷ついて悲しんでるのは、どう考えても千秋くんでしょう?」

「お前、ほんとバカ。勝手にしろよ」

「柊二くん!」



柊二くんは、怒ったのか怒鳴ったまま行ってしまった。
呆れられちゃったかな。
頑固でごめんね。
でも、やっぱり私にはこうするしかないんだ。