「おはよう」



靴箱で、偶然久賀くんに出会い元気よく挨拶をした。
久賀くんはビクッと肩を揺らすと、私を見る。

そんなに驚かなくても・・・。




「おはよう、久賀くん」



もう一度改めてそう言うと、久賀くんは小さく頷いた。
よかった・・・。

ホッとして小さく息を吐くと靴を履きかえる。
その間に歩き出していた久賀くんを慌てて追いかけ隣に並んだ。




「行く場所同じなんだから、一緒に行こうよ」




そう言って隣に並ぶと、久賀くんは鞄の持ち手をぎゅっとつかみ戸惑いを見せたけど、逃げることはしなかった。