『二人で話したいことがある』




そこに書かれた短い文。
私はそれを読んだ後、千秋くんを見た。




「二人で・・・?うん。もちろんいいけど。じゃあ、どっか人がいないところに移動する?」




今までなんの反応もなかった千秋くんからの反応に、戸惑いながらそう答えると、千秋くんはコクリと頷いた。
よかった。
少しは前進なのかな?
反応を返してもらえた。




「じゃ、じゃあ、私たちちょっと行ってくるね」

「うん。いってらっしゃい。もし授業に遅れても、適当に理由付けとくから安心してね」

「あ、ありがとう」



亜衣が気を利かせてそう言ってくれることにお礼を言って、私と千秋くんは教室を後にした。
お昼休みのこの時間は意外といろんなところに人がいる。


でも、食堂からも購買からも遠い最上階の教室はあまり人はいない。
そのことを知っていたから私たちはそこへ向かった。

案の定、そこには人の姿はなくて最上階のすぐのところにあった開いている教室に入った。