｢別に、雫ちゃんになんか話すことなんてない！私は、ちーくんが側にいてくれたらそれでいいの！」
｢皐月ちゃん、でもね｣
｢もういい！帰るから！」
｢え、ちょ、ちょっと・・・｣
皐月ちゃんは声を荒げ怒ったまま踵を返していってしまった。
しぃちゃんは困ったように僕を見る。
僕も、どうしたらいいのかわからず肩を落とす。
勝手に話したのが、気に入らなかったのかな。
でも・・・。
｢ごめんね、千秋くん。あまり力になれなかったみたい｣
｢え、ううん。そんなことない。僕の方こそ、庇ってもらってばっかでごめん｣
｢そんなの気にしないで。でも、いじめられてるっていうのは、やっぱり心配だし、なにかできたらいいんだけどな｣
｢・・・うん｣
でも、これ以上しぃちゃんが皐月ちゃんにきつくあたられるくらいならしぃちゃんにはもう手を引いてもらった方がいいんじゃないかって思う。
しぃちゃんが関わることが、どうしてそんなにいやなのかわからないけれど。
