「ちーくん!」



仕方なく一人で帰ることにした僕。
柊二くんを探してみたけど姿が見えずだったし。

校門を出たところで突然呼び止められた。




「・・・皐月ちゃん」



そこにいたのは、皐月ちゃん。
メールでもう一緒に帰ったりは無理だって話したはずなのに。



「よかった。会えて・・・」

「皐月ちゃん、あの、僕メールで・・・」

「読んだよ。でも、酷いよ、ちーくん。私たち友だちでしょう?」



悲しげな表情で僕を見る。
僕は、言葉を詰まらせる。



「それなのに、ただ一緒に帰ったりするだけもだめなんて・・・。雫ちゃん、酷いんじゃないかな」

「違う!しぃちゃんが言ったんじゃないよ。僕が、そう決めて言ったんだ」

「ちーくんが?そんな・・・。酷いよ、私には、ちーくんしかいないのに!」




なんで突然こんなにも僕に執着するんだろう。
小学校の時、友だちではあったけど普通のクラスメイトだった。
僕たちのクラスは、特別クラスメイトの仲が良かったから話す機会は確かに多かったけれど。