「なんで、教えてくれたの?」

「別に教えようと思って教えたわけじゃない。あのパン屋がオススメだからだ」

「そっか」

「まぁ、でも。千秋にはバレてもいいと思ってたけど」



柊二くんの言葉に視線を向ける。
柊二くんはまっすぐ前を見ていて視線は合わない。
照れているんだろうか。



「な、んで・・・?」

「友だち、なんだろ?」

「う、うん!!」


嬉しい。
僕はもちろんそう思ってはいたけど、柊二くんもそう思ってくれてたなんて。

どこか自信がなかった。


柊二くんと僕はタイプも全く違うし。
僕と柊二くんはしぃちゃんが引き寄せてくれた縁だから。
どこか、遠慮もあったし。


でも、これまでの関わりで、僕のことをしぃちゃんたちと同じように思ってくれるってことはわかる。
それでも、自信がもてなかったんだ。