きみのおと



「しぃちゃんがどうしたいのか、ちゃんと考えるいい機会だと思うな」



亜衣はそう言って部活に行ってしまった。
残された私はしばらくそのまま外を眺めながら考え込む。


どうしたいのか・・・。



友だちでいたいなんて嘘。
千秋くんのもっと近くにいたい。

欲を言えば、千秋くんに好きって思ってほしい。



でも、今の関係を壊すのが怖い。




複雑な感情が渦巻いて、身動きが取れなくなる。
それでも、動かなくちゃ。


きっと、後悔するんだ。



だってもう後悔してる。
あの子と千秋くんがどんどん近づいていくことに。


意地を張らない。
素直になる。



私がいたい場所を掴みとる。