「あ、うん・・・。その、小学校の同級生なんだ」

「へぇ。そう言えば、この間遊園地であった子も同級生って言ってたよね?」

「あ、うん。そう・・・その子」

「え?」




亜衣が驚いたように声をあげ、ちらりと私を見た。
私はその視線に応えられずうつむく。



「そ、そうなんだ・・・。最近仲良くしてるの?」

「再会してから、色々と気にしてくれてて・・・」

「そっか」




スマホの相手はきっと伊永さんだろうって思ってた。
思ってたけど、こうして千秋くんの口で肯定されると現実を突きつけられてるようで胸が痛い。
こんな風に思うなんて、私やっぱり、友だちでいいなんて本心で思えてないってことだよね。


焦ってるんだ。
伊永さんが、千秋くんと近くなっていくことに。
千秋くんの気持ちが伊永さんに向くことに。



最低だ、私。
どれだけ貪欲なの。



友だちでいいなんて嘘。
ただ、関係を壊したくなかっただけ。
そんな自分への言い訳。