「すみません・・・。あの、私、思い立ったら考えなしで行動しちゃうタイプで・・・」
彼女、伊永さんはそう言うと申し訳なさそうに俯いた。
なんだか私が悪者みたい。
「あの、ちーくんに聞いたんです。中学にあがってからの事。いじめられてたことと、それから喋れなくなったこと・・・」
「え・・・」
「でも、あなたたちに出会って、また喋ることができるようになったことも」
膝の上に置いていた手をぎゅっと握る。
久しぶりに会ったと言っていた二人。
それでも千秋くんは、この子には自分に起きたことすぐに話したんだ。
私に話してくれるのは、とても時間がかかったのに・・・。
バカだ。
私、そんな事で悲しくなるなんて。
そんなの当然だ。
彼女は昔からの知り合いで、私との時間よりきっと長く共にいて・・・。
間は空いていたかもしれないけれど、それだけ仲のいい友だちだったってことで・・・。
「私、小学校卒業と同時に引っ越して、中学は別の学区のところにいったんです。しばらくは、ちーくんとも連絡を取り合っていたんですけど、ある時からぱったりなくなって・・・」
「・・・そう」


