やっぱり、あの子との約束だったんだ。
なんとなく、そんな気がしてた。


あの日、千秋くんとあの子は連絡先を交換していたし。


打ち解けるのに、私は何日もかかったのに、あの子はすぐに打ち解けた。
それはもともと知り合いだったからかもしれないけど。

言いようのないモヤモヤが私の心を包む。




「あの!」



その次の日、千秋くんは職員室に用があるからと今日も別々に帰っていた。
私は柊二くんと一緒に途中まで帰ることにして、一緒に校門を出ようとしていたところだった。
校門を出たところで突然誰かに呼び止められた。


“あの”それが誰に向けられたものなのか、最初はよくわからず、なんとなく声がする方に視線を向けた。
でも、それが自分に向けられたものだとそこにいた人を見て気づいた。



それは、このあいだのあの子だったのだ。



なに?
私に何の用?



「あの、時間もらってもいいですか?」


伺うようにそう言われ、私は怪訝に思いながらも頷いた。