「千秋くん、途中まで一緒に帰ろう」


授業が終わり、私は千秋くんを誘いに行く。
仲良くなってからほんとに分かれるちょっとの間まで一緒に帰ってた。
亜衣は部活があって帰れないことの方が多いから、私と千秋くんと柊二くんで帰ることが多かった。



「・・・あ、ごめんね。今日ちょっと約束があるんだ」

「え?約束・・・?」

「うん。あの、また明日一緒に帰ってくれる?」

「あ、も、もちろん!」



申し訳なさそうな千秋くんの表情に慌ててそう言った。
がっかりしてるのわかっちゃったんだ。



「あ、じゃあ、僕いかなきゃ。また明日」

「うん。ばいばい」



手を振って見送る。
千秋くんスマホ気にしてた。
誰かと待ち合わせなのかな・・・?


教室の窓から校門を見ていると、校門に違う高校の制服を着た人の姿を見つけた。
遠くてよくわからないけど、あの人・・・。



見ていると、千秋くんが校舎から出てくるのが見えた。
その制服の子は千秋くんを見つけると大きく手を振っている。
千秋くんはまっすぐその人に近づくと2人で歩いて行ってしまった。