「あ・・・、ごめん。すぐ追いかけるね」

「うん。気にしないで、ゆっくり話してきてね」




私は早口でそう言って亜衣たちを引っ張るようにしてその場を離れた。
ドクン、ドクン、と胸が嫌な音を立てる。


モヤモヤチクチク、ギスギス。




「ばっかじゃねぇの」




柊二くんがバカにしたように言った。





「逃げて意味あんのかよ」

「・・・うるさいな」

「ま、俺には関係ねぇけどな」

「柊二くん、言いすぎだよ」



咎めるように亜衣が言う。
それ以上柊二くんは何も言わなかった。



ただ、千秋くんが知り合いにあっただけじゃない。
別に、どんな関係かなんてわからない。
ただの同級生かもしれないのに。



なんでこんなに胸がざわつくんだろう。