「ねぇ、どれから乗る?」
「しぃちゃんは、なにがいい?」
休日で来園者が多くあちこちで楽しそうな声が上がっている。
ジェットコースターのけたたましい走行音とともにあがる悲鳴。
愉快な音楽で回るメリーゴーランド。
「ジェットコースターには乗りたい!私、結構いけるんだぁ」
「・・・うん。僕も、乗ってみたい」
「え?のってみたいって、もしかして初めて?」
驚いて尋ねると千秋くんは小さく頷いた。
はじめてなんだ!
「じゃあ、ジェットコースターの中でも軽めのやつから挑戦してみて、いけそうなら怖いの行ってみよう!」
「うん」
いきなり上級者向けは厳しいもんね。
そうして、私たちはここの遊園地の中でも一番初心者向けのジェットコースターに乗ることにした。
列に並んで、他愛のない話をして。
すごく、楽しい。


