仕方なく、私は残りのお弁当を食べる。
移動したところで時間なくなっちゃうし。
さっさと食べて教室に戻ろう。



久賀くん。
本当に全く喋らないんだ。


どうしてなのか気になるけど、凄く繊細な問題だよね。
誰もが聞いたことのない声。



すごく、気になる。




とても澄んだ綺麗な瞳。
でもそれは前髪によって隠されてて。


久賀くん自身にも、なにか分厚い壁のようなものを感じる。




少しでも取り払われたらいいのに。





久賀くんの声、聴きたいな。
きっと、あの瞳と同じように綺麗な声なんだろうな。