「外見とか、見えるものがよくなったからって・・・。千秋くんは内面がすごく綺麗でいい人なのに」

「惚気はいいよ。ウザいから」

「の、惚気じゃないもん!事実だもん!」




だって、許せないんだもん。
今まで、存在すらなかったもののようにしていたくせに。




「まぁ、そんなのあいつがよくわかってんだろ」

「え?」

「突然、態度変えられて、それをホイホイ喜ぶような奴じゃないだろ」

「・・・うん」




千秋くん自身だって、思ってるはずだ。
誰とも関わらないと決めていたのは千秋くん自身だけど。

それでも、やっぱり誰にも見てもらえないのは、認めてもらえないのは寂しいはず。



「ほら、帰って来たぞ」




柊二くんの声に顔をあげると千秋くんが教室に戻ってくるのが見えた。
真っ直ぐ、私たちのところに来る。




「おかえり、千秋くん・・・」



あの、なんの話だった?
なんて、ずうずうしくて聞けない・・・。