「私、割引券もってるんだけど・・・。食べる?」



勿体ぶりながらそう言うと、前髪の奥に見える瞳がキラッと輝いたように思えた。
食いつき、いいよね。



「割引券、明後日までなんだけど。放課後、よかったら一緒に行かない?」




キラキラと目を輝かせていた久賀くん。
すぐに、頷いてくれるかと期待していたけど、久賀くんは首を縦にも横にも振らず固まってしまった。

考え込んでいる様子の久賀くん。



しばらくして、首をフルフルと横に振った。





「・・・なんで?メロンパン、好きなんでしょ?」





真っ直ぐと久賀くんを見つめそう聞くけど、久賀くんは首を横に振るだけ。
食べかけのパンを袋にしまって片づけると立ち上がって、逃げるようにいってしまった。




「久賀くん!」




呼び止めたけど止まってくれるはずもなく。
なんでだろう・・・。



途中まで普通に返事してくれてたのに。
やっぱり、一緒にどっかいこうっていうのはいきなりすぎたのかな。


反応返ってきてたから調子に乗りすぎちゃった。