「しぃちゃん、同じクラスだった!」

「ほんと?やった!」



先に登校していた親友の榎並亜衣(えなみあい)が朗らかな笑顔で駆け寄ってくる。
今日は、4月の始業式。
高校2年生に進級する。


後輩ができる、なんてウキウキする気分は部活に入っていない私にはあまり関係はなくて。
後輩との絡みなんて、特別なこと以外ではあまりないし。

とりあえず今は、親友の亜衣と同じクラスになれた事が唯一の関心事だったりする。




「ほら、二ノ宮雫(にのみやしずく)。2組に名前ある。私の名前も」

「ほんとだ」




亜衣に引っ張られてクラスが張り出されている掲示板の前に行くと、確かに2組のところに私たちの名前があった。
他に知ってる名前も、ちらほらとあるけど、特別仲いい子はいない。
まぁ、亜衣がいるし、別にいいんだけど。