まず最初に。
僕は、いじめられていた。



きっかけはなんだったか、そんな事さえ分からないくらいきっと些細な事だったんだと思う。
もしかしたら相手からしたら些細ではないことを僕がしてしまったのかもしれないけれど。



中学に入ってまだ三カ月もたってない頃だった。




最初は、ただの無視から始まった。
それでも初めの頃は、小学校が一緒だった友だちは変わらずにいてくれたし。
気が収まれば、自然と終るものだって思ってた。

でも、次第にそれは波紋のように広がっていったんだ。
変わらずにいてくれた友だちも、自然と僕を避けるようになって。
無視だけだったのが、教科書が汚されたり、靴が隠されたり、陰険なモノに変わっていった。



最初の頃は、なんでこんな事をするのか、必死に何度も訴えたけどバカにされたように笑われただけだった。




その頃からだ。
“女男~!千秋とか名前も、顔も声も、女みてぇだ!”
“実は女なんじゃねぇ?すぐ泣くし”




僕の容姿や名前、声の事を言われるようになったのは。