『最初は。正直、芹川くんみたいなタイプの人は苦手だったから。でも、今は芹川くんの事知ってからは、怖いって思わない』
正直にそう書いて見せる。
それは、本当の気持ちだ。
『でも、芹川くんがどういう気持ちで僕と一緒にいてくれるのか、わからなくて。正直、戸惑ったりもしてる』
それがきっと、僕がビクビクして見えるってこと。
こんな話をして、芹川くんはなんと思うだろう。
もう僕と、一緒にいたくないって、思うかな。
「どういう気持ち?」
怪訝そうな顔で問われる。
僕はグッとペンを握りしめ、ノートに走らせた。
『こういう、書いて読んで会話するの、芹川くんはずっと面倒だって言ってたから。それなのに、なんで僕と。今日だって、二人でパン屋に行こうなんて言ってくれたのかなって』
芹川くんが知りたいと思う事。
僕は正直に話さなくちゃいけないんだ。
それで、選ぶのは芹川くんだ。
この先も一緒にいてくれるのか。
それとも、もう僕とはいられないと思うのか。


