「初めに、千秋くんの学校生活の事ですが・・・」



面談が始まり、担任の大村先生が手元の書類を覗き込みながら放し始める。
去年も面談があった。

でも、僕は喋れないし、その時の担任もそれをしてたから、僕に話を振ってくることはなかったし、一方的に話して少しお母さんに話を振ってそれで終わりだった。

きっと、今日もそうなるんだろうな。
仕方ないことだし、それは僕がこうだからであって、僕のせいだから。




「正直に言わせてもらっても?」

「はい。お願いします」



お母さんに確認をとると先生は頷き、持っていた書類を机に置くと姿勢を正し僕とお母さんを交互に見た。




「千秋くんの事は去年から職員の中でも話によく上がっていました。担任からもよく聞いていましたし、僕自身教科担当だったので、その時間だけでしたが授業中の様子をずっと見ていました」



なにを言い出すんだろう。
注意を受けるんだろうか。

中学の時、喋れなくなった僕に、当時の担任は「甘え」だと言った。
これじゃあ将来生きていけないと。



それでも、中には親身になってくれる先生もいて、そのおかげで僕は高校に行けることにもなったけど。