お昼休み。
有言実行で、久賀くんを誘おうと振り返る。


でも、窓際後ろの席、そこに彼の姿はなかった。




「えっ、逃げられた!」




いつの間に。
さっき授業が終わって、私すぐに振り向いたはず。


そんなにも、私と食べるのが嫌なの?




「しぃちゃん、ごめん。今日ちょっと部活の集まりが急に決まって。お昼そっちで食べることになったんだ」

「え、あ、そっか・・・。うん。大丈夫。私は私で食べるから大丈夫だよ」

「ごめんね。しぃちゃん、本当に久賀くんと食べるの?」

「うん・・・。そのつもりなんだけど、逃げられたみたい。ちょっと探してみるね」



亜衣と別れ、私はお弁当を手に教室を飛び出した。
久賀くんが行きそうな場所なんて知らない。


購買に買いに行ったのかな?
それとも食堂?



逃げたんだとしたら、人気のない裏庭とか、屋上は立ち入り禁止だし・・・。
とりあえず、思いつくところにいってみるか。