「しぃちゃん、お昼食べよー」



結局。
なんの解決もできないままお昼の時間がやってきた。
亜衣が私を誘いにやってくる。




「う、うん!食べよう!」




私たちは、すっかり恒例となった千秋くんと芹川くんとのお昼に向かう。
千秋くんたちの机の方へ向かおうとすると、千秋くんの席の近くに誰かが立っているのが見えた。
誰・・・?

出かけた足が止まり、ジッとその背中を見つめる。
髪が長いから、女の子だ。
よく見ると、それはクラスメイトの女の子だった。



あまり話したことがない子で、確か梅沢さん・・・。
特に派手な方ではないけど、美人で人気のある女の子。
クラスの中心的な女子グループにいる。
千秋くんになんの用だろう・・・。



「珍しいね、千秋くんに話しかけてる人って」

「・・・うん。そうだね」





今まで、誰も千秋くんに関わろうとしていなかったのに。
なんで突然?



しばらく見ていると、梅沢さんは立ち去った。
それを見送り、私たちは千秋くんたちのもとに向かった。