前髪に隠れた瞳が、とても綺麗だった。



「ね、友だちになろうよ」



告げた言葉に嘘はなかった。
ただ、ただ、本当に友だちになりたいとそう思った。


なぜ、なんて聞かれれば、わからない。


友だちになりたいと願う気持ちに理由なんてあるんだろうか。



久賀くんは、答えることなくただ私の顔を見上げてた。




「久賀千秋くん、でしょ?」



私がそう問いかけると、久賀くんは少し怯えたように頷いた。
初めて、彼の世界が外に向いた気がした。

反応があった事に、ホッとして笑うと久賀くんの前の席に座った。