ガバッと起き上がる。
僕の下敷きになったしぃちゃんは仰向けになって目を回していた。



「ご、ごめん、千秋くん、大丈夫・・・?」



あたた、と頭をさすりながら目をあけたしぃちゃん。
バチッと近い距離で目が合わさり、胸が高鳴った。





「わ、あ、ご、ごめん!!」



慌てて後ずさろうとしたしぃちゃんだったけど、繋がった足に引っ張られるようにしてべしゃっと後ろ向きにまた倒れた。


その姿に、恥ずかしさは消え思わず吹き出してしまった。





「ちょ、ち、千秋くん、笑ったな!」




そんな僕に、しぃちゃんは恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに一緒に笑った。
ああ、僕。
こんな風に笑えたんだ。




「ちょっと、なに二人して遊んでるの?」

「やる気あんのか、お前ら」

「あ、あるわよ!失礼な!ね、千秋くん!」




少し離れたところで練習していた芹川くんたちが僕たちのドタバタに気づいて呆れたように近づく。
しぃちゃんはムキになってそう言い返し僕に賛同を求めた。

僕は、力強く頷いて見せる。