それが終わると、真っ白な紙を探して机に向かった。 小さく揺れる手に黒いボールペンを掴んで大きく真ん中に『退部届』と記すと その下に“一身上の都合により退部させていただきます”と添えて、自分の名前と今日の日付を書いた。 その後はひたすら布団に顔を押し付けて泣き続けた。 声を押し殺して、布団にたくさんの涙を流して……。 「……っ」 辛くて、苦しくて。 バスケをやってて楽しいと思えていた頃に戻りたい 自分の周りに“敵”しかいない世界から逃れたい と、心の底から強く願った。