先ほどの話しかけてきた男は立去った。
すべてが懐かしい。

『おい。大丈夫か?』

彼はまだあたしとは気づいてないらしい。
あたしは俯いたままだった。

『お『滉輝!!お前いきなり走んな。』』

あぁ。この2人はホント仲がいいんだな。

『誰?コイツ。滉輝。助けたの?』

彼もまたあの人と同じで気づいていない。
どーしたら良いのだろう。
きっと此処で逃げ出せば2人に追われて
直ぐに捕まるだろう。

望んだ再会ではないけど
この際仕方ないか。

あたしは決意して顔を上げた。
そう。2年ぶりの望まない再会で。


『久しぶり。滉さん…翔さん。』


―end―