―羽音side―

あたしは学校を飛び出し
繁華街へ来ていた。

『変わってない。』

あたしの……想い出の場所の1つ。
最後に来たのは2年前の夏だった。
あの人達と最後に来た場所。

『はぁ。帰ろう』

そう思い立ち上がり歩きだそうとしたら
手首をつかまれた。

『なぁにしてんのぉー?』

明らかヤバそうな人に絡まれた。

『帰るんです!!離してください!!』

『離さないよぉ。お兄さんと
楽しいことしよぉーよー。』

あたしは手を振り払おうと
暴れていたら懐かしい匂いに包まれた。

『誰の女かわかってんのか?』

懐かしい。逢いたかった人の声。
でも逢いたくなかった。