蒼空に手を引かれて
理事長室の前に来た。

蒼空はもう手放さないと言うかの様に
手を握っていた。

『なぁ。羽音。』

蒼空がいきなり話し始めた。

『ん?なぁに?』

『……やっぱいい。入るか!!』

蒼空が話を誤魔化した……。
きっと何かあるんだ。

トントン。

『失礼します。蒼空です。』

蒼空はそう言うとあたしの手を引いて
中へと入っていった。

『あぁ。どうした。蒼空。
羽音でも見つけたのか?そんなわけねぇか!

あの……高瀬組でも見つけれてねぇしな。』

この声。ホント神様は意地悪だ。
てか……高瀬組?もしかして……。

『見つけましたよ。』

蒼空があたしを彼の前に出した。

『ほら。』