いつか逢えると信じてた。

そうして、あたしは拓人の部屋へ
入っていった。

あの頃と何一つ変わっていないこの部屋。
もしかしたら、帰ってくるかと思えるほど
変わっていなかった。

拓人の匂いで埋められていた。

『拓人ともおさらばだね。』

ポツリと言葉が漏れた。
そして、涙も零れたんだ。

全て嘘なら良かった。
拓人も生きていて皆と笑いあえていた
日々が戻って欲しかった。

滉さんへの気持ちに気づかなきゃよかった。
そしたらこんな悲しい想いは
しなかっただろう。

泣いちゃいけない。笑ってサヨナラをしたい。

壁にかけてあるコルクボードに
めがうつった。