神様はなんて残酷な方なのだろうか。

彼は2年前とそれほど
変わって居なかった。

『久しぶり……蒼空。』

彼は……中川 蒼空。
あたしの幼馴染み。高校3年生。

あたしは、蒼空にも言わずに
2年前に姿を消した。
彼等と今もきっと繋がっているだろう。

『羽音さぁひでぇよな。』

わかっている。蒼空の気持ちは……

『探したんだぞ?』

やっぱり……。

『……い。』

『ん?どしたぁ?』

『おねがい……あの人達には言わないで。』

会いたくないの……。

『俺は言わねぇよ』

俺はって何よ。

『とりあえず理事長室へ行くか』

っあ。忘れてた。

《この時からきっと、歯車が動き出したんだろう。確信は無いけど……あたしはそうだと思ったよ。》