10 「っ、バイバイ。晴。」 9 8 7 私は電車の中に乗り込んだ。 晴は珍しく難しい顔をしている。 「晴……?」 6 5 4 「ほれ、玉手箱や。」 「!!?」 晴は私の口にかじりかけのお煎餅を突っ込んだ。 3 「じゃあの。」 「うん…」 2 ドアが閉まる2秒前、 ほんとに一瞬、 晴は私の手を引っ張って、 傾いた私の頬にキスをした。 1 0 私とゆかりが乗った電車の扉は閉じた。