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「忘れ物はないんな?」


「うん!大丈夫!ありがとう、おばあちゃん!」



私とゆかりは荷物をまとめ、

おばあちゃんに挨拶をしていた。


おばあちゃんは最初と何ら変わらない太陽のような笑顔を浮かべている。



「今年の夏は楽しかったのぉ。

来年も来てなぁ。」


「お正月にはお母さんたちも一緒にまた来るよ!」


「ありがとうなぁ。ゆかりちゃんも、元気でのぉ。」



さっきからずっと黙っていると思ったら、

ゆかりは下を向いて口を震わせていた。



「ゆかり…」


「何、泣いとんな?

またすぐ会えるけんのぉ。」


「ひっ…うっ…おばあちゃん……!!」




ゆかりは、涙でボロボロの顔でおばあちゃんのお腹に飛び込んだ。


おばあちゃんは相変わらず笑っているけれど、

その目頭には小粒の涙が見えた。