チャラめの声がしたと同時にぽんぽん、と肩を叩かれた。振り向くとそこにはいたずらっ子の表情をした恋が笑顔で立っていた。その後ろには灯亞と伊織がやれやれといった表情で立っていた。


「彼女じゃないですけどっ?」



「えっへへ〜!まぁまぁ、落ち着いてっ!僕こういうの言ってみたかったんだよね〜っ!!女の子に!」



最後の言葉にピクッと反応する杏也。


「恋、女の子にそんな事するんじゃないよ?」



伊織が困ったように笑うと、恋は、はぁ〜い、と残念そうに言った。



「待ってください⋯。僕女の子じゃないってば!!」



男だと知っていながらも意地悪を続ける恋と伊織にそう怒るとぷくっと頬を膨らませてそっぽを向いた。



「あ〜っ!ごめん!そうだった⋯。つい、可愛いから忘れちゃってた⋯ごめんね⋯?」