嘘つき系恋心



伊織が食べる手を止め、真剣な表情でこちらを見る。まさか、お父さんの話が出るとは思わず少しの間言葉が出てこなかった。


「結彩ちゃんは俺らにとっていつの間にか大きな存在になった。そんな結彩ちゃんがいなくなったらって考えるとね...。」



「......その...わか、りません。...でも私は......私にはどうすることも出来ない、です。」


「...どうすることもできない?」



怪訝そうな顔で伊織が問う。結彩は俯いた。




「お父さんは...大事です。大事だからお父さんが望むことをします。」





「え...?」


「実はお父さんは一回目覚めたことがあります。目覚めたお父さんは別人のようでした。とても怖い顔をして...少しの暴力もふるうようになりました。」