なにをされるのか、と怖くなって一歩後ずさると腰に手を回されて逃げることが出来なくなった。じっと見つめる灯亞の瞳はどこか強さを感じ、惹き付けられる。
「灯亞......っダメだって!」
どんどん近づいてくる手をどうにかどかそうと、こちらも手で応戦していると灯亞が諦めたように溜息をついた。そんな溜息に安心して気を緩めた時、素早く灯亞の手が伸びてきてメガネを奪い去った。
「待ってください...っ!返して...!」
「ダメ...。」
そう言って取ったメガネを灯亞がかけた。そして、微笑んでぐいっと結彩(杏也)を引き寄せた。

