嘘つき系恋心


****


体育館中は男子生徒による黄色い声で溢れていた。男子生徒が注目する場所には杏也がちょっと拗ね気味に立っていた。



「ちょっとー!なんで僕だけなわけぇ!?意味わかんない!」



最初の最初から鬼である恋に見つかってたという杏也は、おまけに過去最速の女装マンという謎の称号が与えられた。そして罰ゲームである女装をさせられていた。


元々女の子であるため普通にコスプレをさせられているだけなのでそんなに抵抗はないが心地いいものではない。



「てゆーかなんでアリスの服なわけ?」



「え?あったから??」



近くにいた恋に尋ねると、逆に不思議そうに首を傾げられた。



「はぁ...で、これで一日いろと?」



「うん!」