「マジかっ!?いっちゃん、転校生女子!?女の子キタ!?」



「何でそんなこと言わねぇんだよっ!カワイイ子かなあっ??」



そんな感じに好き勝手に妄想を膨らませる生徒達。そんな男子に痺れを切らした威月が勢いよく教鞭をふるう。

鞭は勢いよく教卓に打ち付けられ、乾いた音が鳴った。


「うるせぇよ。⋯ったく。杏也、おいで?」


生徒に一睨み利かせてから打って変わって笑顔で杏也を呼ぶ威月。



杏也は苦笑しながら教室へと入った。その瞬間、一斉に歓喜の声が上がる。それも当然威月が静め、自己紹介するように促された。



「僕は高館杏也(タカダテアンヤ)。生まれた時から男ですので!男ですので!」